法定地上権は成立する?共有名義の土地・建物についても解説

2026-03-03

法定地上権は成立する?共有名義の土地・建物についても解説

共有名義の土地や建物を所有されており、万が一抵当権が実行された際に「法定地上権は成立するのか」「建物はどうなるのか」とお困りではありませんか。
この権利が成立するか否かは、共有のパターンによって結論が真逆になることがあり、知らずに放置していると最悪の場合、建物の収去を迫られるリスクがございます。
本記事では、法定地上権の基本的な仕組みから、「建物のみ共有」「土地も共有」といったケースごとの成立可否、そしてトラブルを防ぐ対策について解説いたします。
ご自身の不動産を守るための正しい知識を身につけたい方は、ぜひご参考になさってくださいね。

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法定地上権とは

法定地上権とは

共有名義不動産における複雑な権利関係を理解するためには、まず基礎となる法知識をおさえておく必要があります。
まずは、法定地上権の定義や、成立するために必要な3つの要件について解説していきます。

法定地上権の定義と重要性

法定地上権とは、土地と建物が同一所有者だった不動産に抵当権が設定され、その後に所有者が分かれた場合、法律により自動的に発生する「土地を利用する権利」です。
民法388条で定められており、事前の契約がなくても、建物を維持するために土地を使うことが認められています。
土地と建物は別々の不動産ですが、実際には一体として使われるため、建物の存続と土地利用の調整を目的として法定地上権が設けられています。
とくに、共有名義の不動産では権利関係が複雑になりやすく、この仕組みを理解しておくことが資産を守るうえで重要です。

抵当権実行による影響と対策

抵当権とは、住宅ローンなどの借入れをおこなう際、その返済を確実にするために不動産を担保とする仕組みを指します。
順調に返済が進めば生活への影響はありませんが、万が一返済が困難になった場合、担保となった土地や建物が競売にかけられることがあります。
この結果、土地の所有者だけが新しい所有者に変わり、建物の所有者はそのままという状況になると、土地利用の権利関係を整理しなければなりません。
万が一法定地上権が認められないと、これまでの住まいを維持できなくなる可能性があります。

法定地上権が成立する4つの要件

法定地上権は強力な権利であるため、無条件に認められるわけではなく、これまでの判例によって以下の4つの要件が整理されています。

  • 抵当権設定当時、その土地上に建物が存在していたこと
  • 抵当権設定当時、土地と建物が同一所有者に属していたこと
  • 土地・建物の一方または双方に抵当権が設定されていること
  • 抵当権の実行(競売など)により、土地と建物の所有者が異なるに至ったこと
たとえば、更地の状態で抵当権を設定し、その後に建物を建てたようなケースでは、原則として法定地上権は成立しません。
これらの要件をご自身の状況と照らし合わせて確認することで、法定地上権が成立する可能性があるのかどうか、冷静に判断しやすくなるでしょう。

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建物共有の場合は法定地上権が成立する

建物共有の場合は法定地上権が成立する

前章では、法定地上権の基本的な成立要件を確認しましたが、実際の共有関係においては判断が難しいケースもありますよね。
ここでは、土地は単独名義で建物のみが共有である場合の法的解釈について、解説いたします。

建物のみ共有の権利関係

土地の名義はAさんの単独所有で、建物はAさんとBさんの共有名義というように、土地と建物の所有者の方が少し異なっているケースは珍しくありません。
このような場合でも、抵当権を設定した当時には土地と建物が一体として扱われ、生活や事業の基盤として利用されていたという実態があります。
判例ではこうした事情を考慮し、形式的に所有者を分けるのではなく、全体として「同じ所有状態にあった」と評価する傾向にあります。
その結果、土地の所有者が第三者に移ったとしても、建物を守るための法定地上権は成立すると考えられているのです。

成立を認める判例の論理

建物が共有の場合に裁判所が法定地上権を認める背景には、関係者の方の利益を適切に調整しようとする視点があります。
抵当権を設定する側や土地を購入する方は、そこに建物があり、共有者の方が住んでいることを前提に取引をおこなっています。
そのため、建物共有者の方が突然住む場所を失ったり、生活基盤が不安定になったりする事態は、避けるべきだという考え方が採用されているのです。
また、法定地上権の成立があらかじめわかっていれば、土地の購入者の方もそれを考慮して計画を立てられるため、予測可能性が高まり安心して取引できます。

実務での注意点

ただし、法定地上権が成立したからといって、土地を無償で使い続けられるわけではありません。
通常は土地所有者の方に対して、地代や使用料を支払うことになります。
建物が共有の場合、この権利も共有者全員で持つことになるため、誰がどの割合で地代を負担するかについて、事前に話し合っておくとスムーズに進みます。
また、将来的に建物の大規模修繕や建て替えをおこなう際には、土地所有者の方の理解と協力が不可欠です。
そのため、日頃から丁寧なコミュニケーションを心がけることが、長く安心して住み続けるうえで大切です。

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土地・建物双方が共有だと法定地上権は不成立になる

土地・建物双方が共有だと法定地上権は不成立になる

ここまで、法定地上権が成立するケースを解説しましたが、状況によっては権利が認められない場合もあるため注意が必要です。
最後に、土地と建物の双方が共有である場合に発生するリスクと、その対策について解説していきます。

土地共有者を保護する理由

土地も建物も「AさんとBさんの共有」というように、同じメンバーで共有している場合は、法定地上権の扱いが先ほどとは異なります。
判例では、抵当権を設定していない他の方の権利を守ることを重視しており、その方の持分まで勝手に地上権で制限するのは公平ではないと考えています。
これは、土地と建物の双方に法定地上権が認められると、関与していない共有者の方の権利が、十分な説明もないまま制約を受けてしまうためです。
そのため、土地建物とも共有の場合には、お互いの持分の自由度を尊重し、原則として法定地上権は成立しないと整理されています。
つまり、ご自身が「抵当権を設定する立場」か「設定していない立場」かによって、守られる権利の内容が変わる点を理解しておくと良いでしょう。

不成立時の今後の対応

法定地上権が成立しない場合でも、直ちに建物を手放さなければならないわけではありません。
まずは、共有者や新たな土地所有者と、今後の利用方法について話し合うことが重要です。
ただし、土地の活用方針が一致しない場合には、建物の使用継続や将来の建て替えを巡って、調整が必要になることもあります。
たとえば、土地の有効活用を望む側と、現状のまま住み続けたい側との間で、考え方に差が生じるケースも少なくありません。
「不成立」という言葉に不安を感じやすい場面ですが、早い段階で状況を整理し、関係者と丁寧に対話を重ねることで、納得感のある解決に近づきやすくなります。

将来の安心につながる実務対策

共有名義の不動産の不安を減らすには、事前に利用や売却の方針を共有者同士で話し合い、可能であれば書面に残しておくことが大切です。
将来の資金調達を想定し、抵当権を設定できる範囲や、合意条件をあらかじめ決めておくのも有効です。
こうした準備があれば、法定地上権が成立しない場合でも、共有者間の無用な対立を防ぎやすくなります。
結果として、不動産の価値と円滑な利用環境を長期的に守ることにつながります。

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まとめ

法定地上権とは、競売などで土地と建物の所有者が別々になった際、要件を満たせば、建物を維持するために土地を利用できる権利として認められています。
土地が単独名義で建物のみ共有の場合、抵当権設定時に一体として利用されていた実態が考慮され、原則として法定地上権の成立が認められます。
土地と建物の双方が共有だと原則として権利は成立しないため、万が一に備えて共有者間で利用方針やルールを事前に決めておくことが大切です。
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