相続税の更正の請求とは?更正の請求が発生するケースと手続きの流れ

2024-07-02

相続税の更正の請求とは?更正の請求が発生するケースと手続きの流れ

相続税の納付後、税金を納め過ぎたのではないかと感じている方はいらっしゃいませんか。
納付する際の計算方法や納税額、確定した相続人が間違っていなくても、数年経過すると見落としに気づく可能性もあります。
この記事は、相続税を納付し過ぎたときに利用できる「更正の請求」のご紹介と、対象になるケースや手続きの流れもお伝えしますので、読んでみてください。

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相続税に対する更正の請求とは

相続税に対する更正の請求とは

家族が亡くなったときの相続手続きは、不慣れな作業の連続で、心身ともに疲れ切ってしまいます。
専門家に依頼してミスなく作業したつもりでも、相続税を納め過ぎているケースもあるため、落ち着いてからの見直しも必要です。

相続税の更正の請求とは

更正の請求とは、払い過ぎた相続税を戻してもらう手続きであり、不足していたときには利用できません。
相続税は、財産を所有する方が亡くなった際に、遺族が納付額を計算して申告と納税をおこなう税金です。
亡くなった方の所有する財産には、不動産や預貯金、自動車や貴金属などのプラスの財産のほか、借金や未払いのローンなどマイナスの財産が該当します。
プラスの財産からマイナスの財産を差し引いた金額が、相続税の基礎控除額よりも少ない場合は、申告する必要はありません。
基礎控除額は、3,000万円に法定相続人1人当たり600万円を加算した金額です。
納付した税金が少なかった場合は、修正申告と追加納税を期限内に済ませます。

請求できるのは相続開始から原則5年以内

相続税の更正の請求手続きができるのは、相続の開始から原則5年以内です。
つまり、請求手続きは、被相続人が亡くなってから5年10か月以内に完了させなければなりません。
相続の開始日とは、被相続人が亡くなったことを知った翌日です。
多くの場合、お亡くなりになった日の翌日が開始日になります。
しかし、相続人が海外など遠くに住んでいて亡くなったのを知るのが遅くなったときなどは、亡くなったのを知った日の翌日が開始日です。

特別な事情があるときは申請期限が異なる

相続の開始から原則5年以内に手続きをしなければならない更正の請求ですが、特別な事情の場合は、申告期限が異なります。
未分割の財産を分割したときや相続人の異動があったときなどは、税金の特例措置や軽減措置を利用できるようになるケースもあるため手続きをしなければなりません。
遺留分侵害請求によって税金が返還になるときも、特別な事情に該当します。
特別な事情があるときの申告期限は、事情が発生したときから4か月以内です。
通常の申告期限である5年10か月以内であっても、特別な事情の4か月以内に済ませなければならない点に注意しましょう。

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相続税の更正の請求できるケース

相続税の更正の請求できるケース

更正の請求手続きは、相続税を納め過ぎたときにおこなうのが一般的ですが、納税期限までに遺産分割協議がまとまらなかったときも利用できます。
また、不動産や貴金属を過大評価していたときも手続きの対象です。
ここでは、特別な事情によって請求できるケースを中心にご紹介します。

未分割の財産が分割されたとき

納税を済ませたあとに、未分割の財産が分割された場合に、納税額が少なくなる方は、請求手続きをすると還付が受けられるケースです。
遺産分割協議が納税期限までにまとまらなかったときは、法定相続分で申告を済ませます。
期限までに申告や納税をしなかった場合は延滞税などがかかるため、とりあえず納税や申告を済ませるのが節税になるからです。
未分割の財産が分割されて、小規模宅地等の特例や配偶者に対する軽減措置を使えるようになったときも請求できるケースに該当します。

相続人の異動があったとき

相続人の異動があった場合とは、被相続人が遺族の知らない子どもを認知していたときや養子縁組をしていたなどにより、相続人の数が変動するケースです。
遺産分割協議が完了してから把握したときは、分割をやり直さなければなりません。
一方、相続人を廃除したときや廃除を取り消したときも更正の請求手続きが必要になるときもあります。
相続人の廃除とは、被相続人が存命中に素行不良などで、法定相続人に対して遺産分割の対象から除外できる制度です。
相続人が増えると、基礎控除額の増額により納税義務がなくなるケースもありますが、相続人が減少すると納税額が増えて修正申告をしなければなりません。

遺言書が見つかったとき

遺産分割協議が完了してから遺言書が見つかった場合は、分割協議をやり直します。
通常は、法定相続割合に基づいた遺産分割をおこないますが、遺言書があったときは故人の遺志が優先するからです。
遺言書の発見により、法定相続人のなかには遺産を受け取れる額が少なくなるケースもあります。
最低限受け取れる割合を下回ったときは、遺留分侵害請求権に基づいて本来受け取れる額を請求できるため、多く受け取った方が分け与えなければなりません。
返還を受けた方も、分け与えた方も、納税額が変わります。
したがって、更正の請求手続きもしくは修正申告をおこなうケースです。

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相続税の更正の請求手続きをする際の流れ

相続税の更正の請求手続きをする際の流れ

相続税の更正の請求をする流れや必要書類を把握しておくと、期限内の申告に役立ちます。
税理士に手続きを依頼する際は、期限内に申告できるよう、早期に相談しましょう。

必要書類を準備する

相続税の更正の請求手続きに必要な書類は、自分で揃えられるものと国税庁のホームページからダウンロードできるものがあります。
自分で揃えるのは、請求するに至った経緯がわかる遺産分割協議書や遺言書です。
このほか、本人確認書類に使用するマイナンバーカードや運転免許証のコピーも準備しておきます。
税務署の窓口や国税庁ホームページからダウンロードするのは、更正の請求書です。
請求を申請する旨を記載するページと新たな課税価格や納税額を記載するページで構成されています。

税務署に請求手続きをおこなう

申請書の記載例を参考にしながら記入したあとは、被相続人が最後に居住していた住所を所轄する税務署に提出するのが手続きの流れです。
提出後は2~3か月かけて、税務署内で審査をおこないます。
その間、税務署から申告内容に関して電話や面談による問い合わせに応えなければなりません。
即答できないときや、回答する際に不安を覚えたときは、担当した税理士に相談します。
また、提出した書類のコピーは、相続人全員がそれぞれ保管しておきましょう。
審査が終了して請求が認められたときは、更正通知書が郵送されます。
通常、通知書の送付から金融機関の口座に還付金が振り込まれるのは2週間が目安です。

更正の請求が認められないときもある

請求手続きをおこなっても、審査により、更正の請求が認められないケースもあります。
更正すべき理由がない旨の通知書が届いたときは、内容を確認してから、国税不服申立制度などを利用するか検討しましょう。
国税不服申立制度を利用する場合は、通知を受け取ってから3か月以内に手続きを済ませなければなりません。
国税不服審判所長に対する審査請求をおこなうか、処分を決定した税務署長への再調査の請求を申し立てるかです。
また、通知を受け取ってから6か月以内に、税務訴訟を起こして処分の取り消しを求める方法もあります。
どちらも専門知識が欠かせないため、税理士や弁護士を交えた対応が必要です。

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まとめ

相続税を納付したあとに、遺産分割協議をやり直して納税額が少なくなったときは、更正の請求手続きをおこなうと還付を受けられます。
相続人の異動や未分割の財産を分割して特例や軽減措置を利用できるようになった場合が対象です。
早急に遺産分割協議をおこなって必要書類を揃え、期限内に請求手続きを済ませましょう。
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