不動産売却時の仲介手数料や譲渡費用はいくら？計算方法や費用別シミュレーション

不動産売却の際にかかる仲介手数料などの費用について、どのくらいかかるものなのか、事前に把握したい方は多いのではないでしょうか？
金額が大きくなりがちな仲介手数料や譲渡所得税などは、計算式に当てはめることで、ご自身で算出することも可能です。
そこで今回は、不動産売却時にかかる仲介手数料などの譲渡費用についての概要や計算方法、費用別のシミュレーションをご紹介します。
大阪府池田市、豊中市、箕面市や兵庫県川西市、宝塚市、西宮市、伊丹市エリアで不動産売却を検討されている方は、ぜひご参考になさってください。

不動産売却時の譲渡費用とは？仲介手数料の他に何が含まれる？

不動産売却時に発生する譲渡費用は、確定申告時に経費として売却益から差し引くことで、節税につながります。
ここでは、仲介手数料など不動産売却時に発生する譲渡費用についてご説明します。

譲渡費用とは？

「譲渡費用」とは、不動産売却する際にかかった仲介手数料などの費用を指します。
具体的には以下のものが譲渡費用に含まれます。

• 仲介手数料
• 印紙税
• 立ち退き料
• 解体費と建物の損失額
• 売買契約後に有利な条件で売却するために支払った違約金
• 借地権を売却する際に地主の承諾をもらうために支払った名義書換料

このように譲渡費用とは、不動産売却時に直接かかった費用を指し、修繕費や固定資産税などの不動産の維持費や管理費用などは譲渡費用に含まれません。

不動産売却時の仲介手数料と利益にかかる譲渡所得税の計算方法

次に不動産売却時に発生する「仲介手数料」と、不動産売却による利益が発生した際にかかる「譲渡所得税」の計算方法をチェックしておきましょう。

仲介手数料の計算方法

仲介手数料は宅地建物取引業法により、売買価格に応じて以下のとおり上限額が定められています。

• 200万円以下の場合：（売却価格 × 5％）＋消費税
• 200万円を超え400万円以下の場合：（売却価格 × 4％＋2万円）＋ 消費税
• 400万円を超える場合：（売却価格 × 3％＋6万円）＋ 消費税

ほとんどの場合、仲介手数料を上限額で設定していることが多く、譲渡費用のなかでも大きな割合を占めるため、早めに資金の準備を進めておくと良いでしょう。
次に譲渡所得税の計算方法について、5つのステップに分けてご説明します。

ステップ①譲渡所得の計算方法

不動産売却により利益が発生した場合は、「譲渡所得税」を支払わなければなりません。
譲渡所得税とは、所得税（復興特別所得税含む）・住民税の総称で、不動産売却の利益に対して課税されます。
譲渡所得の計算方法は以下のとおりです。
譲渡所得＝売却価格－（取得費＋譲渡費用）
売却にかかった費用を譲渡費用、不動産を購入する際にかかった費用を取得費に計上します。

ステップ②取得費の計算方法

取得費に該当する費用は以下のとおりです。

• 土地や建物の購入代金
• 建築費
• 不動産購入時にかかった税金（登録免許税・不動産取得税・印紙税など）
• 購入時にかかった仲介手数料
• 測量費・整地費・建物解体費用など
• 設備費・改良費
• 一定の借入金利子

譲渡所得税の金額を少しでも減額するためには、取得費と譲渡費用を漏れなく計上し、利益を減らすことが重要なポイントです。

ステップ③減価償却費の計算方法

取得費の算出時に気を付けたい点が、土地と建物では取得費の計算の仕方が異なることです。
土地の場合、購入時の代金や手数料はそのまま取得費になります。
それに対して、建物の場合は経年により価値が減少するため、「減価償却費相当額」を差し引かなければなりません。
減価償却費の計算方法は以下のとおりです。
減価償却費＝取得価額×0.9×償却率×経過年数
※経過年数が1年未満の端数：6か月以上は1年、6か月未満は切り捨て

＜非事業用建物の耐用年数と償却率＞

• 木造：耐用年数33年、償却率0.031
• 鉄筋コンクリート造：耐用年数70年、償却率0.015

＜事業用建物の耐用年数と償却率＞

• 木造：耐用年数22年、償却率0.046
• 鉄筋コンクリート造：耐用年数47年、償却率0.022

ステップ④特別控除の計算方法

マイホームを売却する際には、一定の要件を満たすことで「3,000万円の特別控除」により、譲渡所得から最高3,000万円が控除できます。
そのため、課税される譲渡所得の計算方法は以下のようになります。
課税譲渡所得＝譲渡所得－特別控除
ここで特別控除より譲渡所得が下回るときは、譲渡所得税は発生しません。
他にも節税につながる控除がいくつか用意されていますので、適用可能な控除がないか事前にチェックしておくと良いでしょう。

ステップ⑤譲渡所得税の計算方法

譲渡所得税の税率は、所有期間が5年以下か5年を超えるかで大きく異なります。

• 所有期間5年以下：短期譲渡所得 39.63%（所得税30％＋復興特別所得税0.63％＋住民税9％）
• 所有期間5年超：長期譲渡所得　20.315%（所得税15％＋復興特別所得税0.315％＋住民税5％）

所有期間は、「不動産を売却した日」ではなく、「不動産を売却した年の1月1日時点」での所有期間であることに注意が必要です。

不動産売却時の仲介手数料や譲渡所得税の費用別シミュレーション

では最後に前項の計算方法を用いて、費用別に仲介手数料や譲渡所得税のシミュレーションをしていきましょう。

シミュレーション1．木造一戸建てを15年で売却した場合

まずは一戸建てのマイホームを売却する場合について、譲渡所得税がかからない場合のシミュレーションをしてみましょう。

• 売却価格：3,000万円
• 仲介手数料などの譲渡費用：100万円
• 購入時の価格：2,000万円
• 仲介手数料など購入時の費用：150万円

この場合、先にステップ②とステップ③の数式を使用して、取得費から計算してみましょう。
木造一戸建ては経過年数に応じて減価償却費を差し引きます。
減価償却費：取得価額（2,000万円）×0.9×償却率（0.031）×経過年数（15年）＝837万円
取得費：2,000万円＋150万円－837万円＝1,013万円

取得費を求めたら、ステップ①の数式に当てはめて譲渡所得を算出します。
譲渡所得：3,000万円－（1,013万円＋100万円）＝1,887万円

次にステップ④の特別控除を差し引きます。
課税譲渡所得：1,887万円－3,000万円 ＝－1,113万円

したがって、この物件に関しては譲渡所得税はかからないことがわかります。

シミュレーション2．マンションを4年で売却した場合

次に短期所有の事業用マンションを売却する場合のシミュレーションをしてみましょう。

• 売却価格：6,000万円
• 仲介手数料などの譲渡費用：100万円
• 購入時の価格：3,000万円
• 仲介手数料など購入時の費用：150万円

この場合も取得費から計算してみましょう。
事業用の鉄筋コンクリート造マンションとして、経過年数に応じて減価償却費を差し引きます。
減価償却費：3,000万円×0.9×0.022×4年＝237万円
取得費：3,000万円＋150万円－237万円＝2,913万円

取得費を求めたら、ステップ①の数式に当てはめて譲渡所得を算出します。
譲渡所得：6,000万円－（2,913万円＋100万円）＝2,987万円

特別控除の適用外であるため、ステップ⑤の譲渡所得税を算出します。
所有期間は4年のため、短期譲渡所得として39.63%課税されます。
譲渡所得税：2,987万円×39.63％＝1,183万円

もしも所有期間が5年を超えるのを待って売却する場合は、税率が20.315％になるため、約半分の606万円になります。
できる限り短期所有を避け、税負担を軽くした上で売却することをおすすめします。

まとめ

今回の計算方法を参考にしていただければ、仲介手数料や譲渡所得税などの概算価格をご自身で簡単に算出できます。
ただし条件によっては、譲渡費用や取得費に含まれない経費もあるため、実際の金額を算出する際には、不動産会社へ相談しながら進めると良いでしょう。
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