相続対策で養子縁組をおこなうメリットとは?養子縁組制度や注意点を解説

2024-08-20

相続対策で養子縁組をおこなうメリットとは?養子縁組制度や注意点を解説

財産は子どもに引き継ぐのが一般的ですが、それ以外の方に財産を遺したい場合もありますよね。
たとえば、孫に遺産を残したい場合や、同居している子どもの配偶者にも財産を渡したい場合に、養子縁組は役立ちます。
本記事では、相続における養子縁組の制度や相続対策で養子縁組をおこなうメリットと注意点について解説します。

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相続における養子縁組とは?

相続における養子縁組とは?

養子縁組とは、血縁関係がない方と法律上の親子関係を結ぶ制度です。
養子縁組には「普通養子縁組」と「特別養子縁組」の2種類があります。

普通養子縁組とは

普通養子縁組は一般的な養子縁組のことを指し、養子になっても実の親との関係は続きます。
普通養子縁組により、養子となる方は養父母と実の親の両方の相続権を持つことが可能です。
つまり、養子は養父母と実の親の両方から遺産を受け継ぐことができます。
普通養子縁組の手続きは、市区町村の役場に必要書類を提出する方法でおこないます。

特別養子縁組

特別養子縁組は、特別な事情がある場合に適用される制度です。
養子関係を結ぶと実の親との関係が断たれるのが特徴です。
そのため、養父母の相続権は持ちますが、実の親が亡くなった場合の相続権はありません。
手続きには家庭裁判所の許可が必要で、実の親の同意も考慮されます。

養子の相続割合や順位とは

養子縁組の種類に関係なく、養子は相続の際に実子と同じ扱いを受けます。
相続では、配偶者が常に法定相続人となり、第一順位は被相続人の子どもです。
被相続人に配偶者と子ども、さらに親や兄弟がいた場合、相続財産を受け継ぐのは配偶者と子どもです。
このため、親や兄弟は相続することができません。
もし被相続人が世話になった子どもの配偶者や孫を養子縁組していた場合、その養子は実子と同じ第一順位となります。
たとえば、配偶者と実子が2人、さらに養子が1人いる場合、相続割合は配偶者が2分の1、残りの2分の1を実子と養子で分けることになります。
実子と養子は相続分も同じ扱いとなり、残りの財産を3等分し、それぞれが6分の1ずつ受け継ぐことが可能です。

養子縁組が活用される3つのパターン

養子縁組がよく利用される代表的なパターンは、①孫、②子どもの配偶者、③再婚相手の連れ子を養子にする場合です。
孫は本来、法定相続人ではありませんが、養子縁組をすることで第1順位の法定相続人になることができます。
子どもの配偶者が献身的に介護をしてくれた場合などに、相続権を与えるために養子縁組がおこなわれるケースもあります。
再婚相手の連れ子は、たとえ再婚後に同居していても、血縁関係がないため自動的に相続人にはなりません。
この場合、養子縁組をすることで法律上も親子関係となり、相続権を持つことができます。

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相続対策で養子縁組をおこなうメリットとは?

相続対策で養子縁組をおこなうメリットとは?

相続対策で養子縁組をおこなうメリットは、以下の3つです。

①基礎控除額が増える

相続税には基礎控除額が設定されており、基礎控除額を超えなければ相続税はかかりません。
基礎控除額は以下の計算式で求められます。
基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数
養子も法定相続人に含まれるため、養子縁組をすることで法定相続人の数が増え、結果的に相続税の負担を軽減できる点がメリットです。

②非課税限度額が増える

被相続人が勤務先の退職金制度に加入しており、在職中に亡くなった場合、本人に支給されるはずだった退職金が遺族に支払われます。
死亡退職金には次の非課税限度額が設定されています。
非課税限度額=500万円×法定相続人の数
非課税限度額を超えなければ、税金は課されません。
養子は子どもと同じ順位の法定相続人であるため、非課税限度額を計算する際に人数に含めることができます。
生命保険金についても同様です。
ただし、基礎控除額や非課税限度額の計算をする際に、法定相続人の数に含める養子の数には一定の制限があります。

  • 被相続人に実の子どもがいる場合:養子は1人まで
  • 被相続人に実の子どもがいない場合:養子は2人まで
さらに、養子の数を法定相続人の数に含めることによって相続税の負担を不当に減少させると認められる場合、その養子の数は上記に含めることはできません。

③相続人の立場を継承できる

養子縁組の大きなメリットは、相続人としての立場を引き継ぐことができる点です。
たとえば、再婚した妻の連れ子を実の子どものように育てていても、養子縁組をしなければ法的には他人とみなされます。
そのため、連れ子は相続権を持ちません。
一方、元配偶者との間に子どもがいて疎遠になっていたとしても、その子どもは法定相続人であるため、財産を相続する権利があります。
そこで、養子縁組をおこなえば、連れ子や特定の方に相続人としての立場を引き継ぐことができます。
養子縁組により、ご自身の財産を相続させることが可能です。

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相続対策で養子縁組をおこなう際の注意点とは?

相続対策で養子縁組をおこなう際の注意点とは?

相続における養子縁組のメリットだけを見て決めると、後で残された子どもたちが大変な思いをするかもしれません。
そこで、養子縁組をするうえで知っておきたい注意点を解説します。

注意点①:相続争いが起こる可能性がある

遺言書がない場合、遺産は法定相続割合で分割されるのが一般的です。
被相続人の子どもには、遺産を平等に分割して相続する権利があります。
しかし、ここで養子が加わると、他の子どもの相続分が減ることになり、相続争いに発展する恐れがあります。
トラブルを避けるためには、養子縁組をする際に法定相続人にもきちんと説明しておくことが大切です。
事前に話し合いをして、皆が納得できる形で相続を進めるようにしましょう。

注意点②:相続税額が2割加算される可能性がある

相続税に関しては、法定相続人の順位が以下のように定められています。
常に法定相続人となるのは被相続人の配偶者だけです。

  • 第一位:子ども(死亡している場合は孫)
  • 第二位:父母(死亡している場合は祖父母)
  • 第三位:兄弟姉妹(死亡している場合は甥や姪)
第一位の相続人がいない場合は第二位の相続人が、第二位もいなければ第三位の相続人が相続権を持ちます。
つまり、状況によっては兄弟姉妹や甥・姪が相続することもあるのです。
被相続人の一親等の血族および配偶者以外が相続する場合、その相続税額に2割が加算されます。
たとえば、孫に財産を渡すために孫と養子縁組をするケースがありますが、孫は被相続人の二親等の血族に該当します。
そのため、孫を養子にした場合、相続税が2割加算されることに注意が必要です。

注意点③:税務署のチェックにより否認されることがある

税務署が「相続税対策のためだけに養子縁組をした」と判断した場合、養子を法定相続人として認めてもらえず、基礎控除額や非課税枠を増やせないケースがあります。
このような判断がされると、相続税の申告をやり直さなければならず、追加で課税される可能性もあります。
むやみに養子を増やしたり、亡くなる直前に養子縁組をしたりすると、税務署からのチェックが厳しくなりやすいです。
養子縁組をおこなう際には、慎重に計画し、相続対策としてだけでなく家族全体のバランスも考慮することが重要です。

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まとめ

養子縁組をおこなうと、法定相続人ではない子の配偶者や連れ子などに財産を相続させることができます。
さらに、基礎控除額が増えたり、非課税限度額が増えたりするメリットもあります。
ただし、相続争いの可能性や相続税額が2割加算される点、否認される可能性がある点に注意が必要です。
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