相続税の二割加算の対象とは?計算方法や注意点について説明

2024-08-27

相続税の二割加算の対象とは?計算方法や注意点について説明

相続税には、一部の相続人に対して税額が二割加算される制度があります。
相続税は通常、現金一括で納付する必要があり、税額が二割加算されると、さらに多くの現金を準備しなければなりません。
また、二割加算を知らずに申告した場合、加算税や延滞税などのペナルティが課される可能性があります。
この記事では、二割加算とはなにか、その対象と計算方法、注意点について説明します。

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相続税の二割加算とは

相続税の二割加算とは

相続税には、遺産を受け取った相続人に対して通常の税額に2割が加算されるケースがあります。
この二割加算とは、相続人が一親等の血族や配偶者以外の場合に適用され、相続税額に20%の加算が加わる税制のことです。
具体的には、被相続人との血縁関係や法的な相続順位によって、加算の対象が決まります。

二割加算の対象者

配偶者や親、子ども、養子(養子縁組した方)や代襲相続人(例えば、亡くなった子どもの子ども)は、相続税の二割加算の対象にはなりません。
これらの方々は一親等の血族に該当するため、通常の税額が適用されます。
続いて、二割加算の対象者を確認していきましょう。
兄弟姉妹
兄弟姉妹は一親等の血族ではないため、相続税の二割加算が適用されます。
兄弟姉妹が相続人となるのは、通常、親や子どもがすでに亡くなっている場合です。
こうしたケースは偶然性が高いと見なされます。
甥や姪
甥や姪も一親等の血族ではないため、相続税の二割加算の対象となります。
甥や姪が相続人となるのは、兄弟姉妹がいない場合のみであり、偶然性が高いとされます。
代襲相続人でない孫
孫は通常、法定相続人に含まれませんが、遺言によって相続人となることがあります。
この場合も二割加算が適用されます。
祖父母
祖父母が相続人となるのは、すでに子どもや親が亡くなっている場合であり、偶然性が高いことから、二割加算が適用されます。
相続人でない親族や第三者
相続人でない親族や第三者が遺言で財産を受け取る場合も、二割加算の対象となります。
たとえば、長期間介護をしてくれた方や特別に親しい関係にある方などが該当します。
孫養子
孫養子は実子と同じく第1順位の相続人となりますが、相続税の二割加算が適用されます。
これは親から孫への相続が含まれるためです。
特別縁故者
特別縁故者とは、被相続人と特別に親しい関係があった方を指し、生計を共にしていたり、献身的に介護したりしていた方が該当します。
この場合も二割加算が適用されます。

二割加算の理由

この加算の目的は、相続税の負担を均衡させることです。
一親等の血族や配偶者以外が相続する場合、その相続は偶然性が高く、相続財産が次世代に渡ることで相続税が1回免れることになります。
このため、相続税の負担を均等にするために、二割加算が導入されています。

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相続税の二割加算の計算

相続税の二割加算の計算

相続税は、実際に受け取った財産の相続割合に基づいて各相続人の税額が決まります。
二割加算が適用される場合には、以下の計算式により加算額が算出することが可能です。
続いて、その具体的な計算方法について説明します。

二割加算の計算式

相続税の二割加算が適用される場合、次の計算式で加算額が決まることが基本です。
加算額 = 各相続人の相続税額 × 20%
たとえば、相続税額が100万円の場合、二割加算の対象者は20万円を追加で納付することになります。
このように、二割加算されると相続税の負担が大幅に増加する可能性があります。

相続税の計算の流れ

相続税を計算する際の一般的な流れは、以下のとおりです。
1.課税遺産総額の計算
相続税の対象となる「正味の遺産額」から「基礎控除額」(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を差し引きます。
なお、配偶者控除など他の控除額も考慮する必要があります。
2.相続税の総額の計算
課税遺産総額を法定相続分に応じて分け、各相続人の税額を計算し、その合計を求めます。
3.各相続人の相続税額の計算
相続税の総額を実際の相続割合に応じて各相続人に分配し、各人の相続税額を求めます。

計算方法の例

たとえば、相続権のない孫が遺贈で財産を受け取り、計算の結果相続税額が200万円となった場合、二割加算により次のように計算します。

  • 200万円 × 20% = 40万円(加算額)
  • 総相続税額 = 200万円 + 40万円 = 240万円
したがって、この孫が納めるべき相続税額は240万円となります。

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相続税の二割加算の注意点

相続税の二割加算の注意点

二割加算を適用せずに申告した場合のペナルティや、相続放棄後の二割加算の対象についての注意点がいくつかあります。
最後に、そんな二割加算に関する注意点を詳しく説明します。

注意点①二割加算をせずに申告するとペナルティが科される

相続税に二割加算を適用せずに申告した場合、税務署からペナルティが課される可能性があるため、注意が必要です。
相続税は通常、現金一括で納付しなければならず、二割加算によりさらに多くの現金が必要です。
また、ペナルティがくわわると金銭的負担が一層重くなるため、計算ミスを防ぐためにも慎重な対応が求められます。
具体的には、以下のようなペナルティが発生する可能性があります。
加算税
二割加算をおこなわなかった場合、加算税が課されることがあります。
追加納付税額が「期限内申告税額」または「50万円」のいずれか多い金額を超える部分には、10%の加算税が適用されます。
超過部分には15%の加算税が適用されます。
延滞税
延滞税は「納税額(1万円未満は切り捨て)× 延滞税の割合 × 滞納日数(納税期限の翌日から完納までの日数)÷ 365」で計算されます。
延滞税の割合は年や期間によって変動します。
過少申告税
申告漏れによって発生する過少申告税が課される場合があります。
重加算税
故意の不正申告があった場合には、重加算税が課される可能性もあります。

注意点②孫養子は二割加算が適用される

養子縁組を通じて、相続税対策として基礎控除額を増やすことが可能です。
再婚相手の子ども(連れ子)や婿養子は二割加算の対象にはなりませんが、孫養子については二割加算が適用されるため、注意が必要です。
相続税対策として養子縁組をおこなう際には、二割加算の対象となるかどうかを理解しておきましょう。

注意点③相続放棄しても二割加算の対象となることがある

相続放棄とは、被相続人の財産を一切受け取らないことを指します。
プラスの財産よりもマイナスの財産が多い場合には、相続放棄が選択肢となります。
ただし、生命保険金や死亡退職金を受け取る場合があるでしょう。
これらは「みなし相続財産」として、相続税の課税対象となります。
一親等の血族が相続放棄した場合
相続放棄をしても、一親等の血族であるため、二割加算の対象にはなりません。
代襲相続した孫が相続放棄した場合
代襲相続した孫が相続放棄をした場合でも、死亡保険金などを受け取る場合は二割加算の対象となります。

注意点④生前贈与でも二割加算が適用されることがある

生前贈与を行った場合、相続時に二割加算が適用されることがあります。
相続時精算課税制度
一定条件を満たして生前贈与をおこなうと、2,500万円まで非課税となります。
贈与者が亡くなった際には贈与財産が相続財産に加算されますが、孫養子への贈与には原則として二割加算が適用されます。
ただし、代襲相続人である孫には二割加算が適用されません。
教育資金や結婚・子育て資金の一括贈与の特例
条件を満たせば、1,500万円または1,000万円まで非課税で贈与できます。
贈与資金が専用口座に預けられ、孫が受け取った場合、相続税がかかり、二割加算が適用されます。
なお、二割加算の対象となるのは、2021年(令和3年)4月1日以降の贈与です。

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まとめ

相続税には、遺産を一親等の血族や配偶者以外が受け取る場合に二割加算が適用されます。
対象者としては兄弟姉妹や甥姪、孫、祖父母、相続人でない親族などが含まれます。
二割加算は相続税の負担を均等にする目的で導入されており、計算時には注意が必要です。<
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