2025-10-14

空き家を共有名義で所有している方は、固定資産税の負担や支払い方法に悩んだ方もいるでしょう。
実際、共有者同士でのトラブルや負担の偏りが問題となるケースは少なくありません。
本記事では、共有名義の空き家にかかる固定資産税の仕組みや、よくあるトラブル事例、解決策について解説いたします。
共有名義の空き家をお持ちの方は、ご参考になさってくださいね。
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空き家を共有名義で所有している場合、固定資産税の負担者や支払い方法を知ることが大切です。
まずは、共有名義空き家の固定資産税の仕組みや納付手続きについて解説していきます。
固定資産税は、毎年1月1日時点の所有者にかかりますが、共有名義の場合は、全員が一緒に支払う義務を負います。
未納があれば、市町村では誰か一人に全額を請求できるため、連帯責任の仕組みを理解しておきましょう。
納税通知書は代表者へ1通届きますが、手続きをすると各共有者へ個別送付に変えることができます。
連帯責任を軽くしたい場合は「共有者別課税」を申し出て、各自が自宅で納付書を受け取るのが安心です。
また、地方税法10条の2には「共有者全員が納税義務者」と書かれており、誰かが滞納すると他の方にも督促が届きます。
評価額は3年ごとに見直され、年度の初めに税額が決まり、4期分割の納付書が送られます。
期限を過ぎれば延滞金が付くので、あらかじめ納税計画を共有し合うことが大切です。
原則として、負担額は持分の割合に合わせて決めますが、代表者がいったんまとめて払い、あとで精算するケースもよく見られます。
たとえば、評価額600万円の土地で税額が6万円なら、持分50%の方は3万円を出せばよい計算です。
代表者がクレジットカードで納税し、割り勘アプリで精算すると、手数料を抑えながら履歴も残せます。
相続で空き家を受け取った場合は、「相続人代表者指定届」を出して代表者を決め、納付書を一元管理すると便利です。
委任状で代理人を立てれば、高齢者や遠方に住む方でもスムーズに手続きできます。
さらに、eLTAXやスマホ決済を使えば、クラウド上で納税履歴を共有できるので、情報の行き違いや納め忘れを防げるでしょう。
海外在住の共有者がいるときは、国際送金手数料が高くつくため、国内に代理人を置き、口座振替にしておくと安心です。
なお、住宅用地特例が外れると税額は最大6倍に上がるため、代表者は評価替えの通知をすぐ共有する体制を整えておきましょう。
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共有名義空き家の固定資産税で起こりがちな主なトラブルは、共有者の一人による「滞納」とそれに伴う「不公平な負担」、そして共有者が「連絡不能」になることです。
これらの問題は共有者間の関係悪化や資産の差し押さえにつながるため、どのようなリスクがあるかを理解しましょう。
万が一、共有者の一人が納税を怠ると、代わりに払った方は「自分ばかり損をしている」と感じ、関係がこじれやすくなるでしょう。
未納が長引けば延滞金は日ごとに増え、最終的に税額の数割になることもあります。
市町村は、誰か一人が払えば滞納が解消すると判断するため、「誰かが払うだろう」と放置される恐れも否めません。
結局、立替えた方が求償権を使っても、領収書がない、連絡が取れない、といった理由でお金を取り戻せないケースがあります。
民法253条と703条により、立替えた方は持分に応じた額を他の共有者へ請求できます。
ただし、領収書と計算書がそろっていることが条件です。
まずは、内容証明郵便で支払い期限を区切った催告を送り、反応がなければ簡易裁判所の「支払督促」や少額訴訟で債権化します。
少額訴訟は、60万円以下なら1回の期日で判決が出るため、早くケリをつけたいときに役立つでしょう。
ただし、相手が海外にいる、住所が分からないなどの事情があると書類を届けるのが難しく、手続きが止まることもあります。
共有者と連絡が取れなくなった場合は、家庭裁判所に「不在者財産管理人」や「相続財産管理人」の選任を申し立てる方法があります。
管理人は、裁判所の許可を得て共有物を管理し、滞納税額を求償できるため、負担の拡大を防ぐことが可能です。
そのまま放置して差押え寸前まで進むと、市町村が土地や建物を公売にかけ、相場より安く売られてしまう恐れがあります。
また、公売代金で足りない分は共有者全員が負担するため、早めの法的手続きが経済的損失を抑えるカギです。
さらに、行政から「管理不全空き家」に指定されると解体費用まで請求され、数百万円に及ぶ例も少なくありません。
月1回のオンラインミーティングで、納税状況を見える化するだけでも、滞納リスクは大幅に下げられます。
困ったときは自治体の無料法律相談など、公的サポートを早めに活用しましょう。
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ここまで、トラブル事例や対応策を解説しましたが、解決策もおさえておきましょう。
最後に、固定資産税トラブルを防ぐための主な解決方法について解説していきます。
単独名義へ変える方法では、持分を譲渡や贈与でまとめて登記を一本化し、納税通知書を一人に集めることで管理が楽になります。
ただし、持分譲渡契約を結んだうえで法務局に申請し、登録免許税として固定資産評価額の2%を納める必要があります。
税率は登記の原因で異なり、売買による所有権移転登記では固定資産評価額の2%、相続による所有権移転登記では0.4%です。
贈与を選ぶと贈与税がかかりますが、「相続時精算課税」や「配偶者控除」を使えば負担を抑えられるでしょう。
単独名義になれば意思決定が早くなり、空き家の活用や売却のタイミングを逃しにくくなる点も大きな利点です。
単独名義の方法を取る場合でも、売買価格や贈与額の妥当性を合意書に残しておくと、後に税務調査が入っても安心です。
共有状態を続ける場合、管理規約と代表者の合意書を作り、公正証書にしておくと法的な強さが増します。
規約には納税負担の割合、遅延損害金、緊急時の代理権限、賃料収入の分け方などを具体的に書くことがポイントです。
領収書や議事録をクラウドで共有し、全員が同じ情報を見られるようにすると、誤解や不信感を減らせます。
規約を作る際は、署名・押印や印紙税の扱いを税理士に確認し、後で無効とならないよう丁寧に進めましょう。
また、駐車場や太陽光発電で収益化するときは、共用口座をつくって入出金を管理すると透明性が高まります。
共有関係を解消する最後の手段は、売却です。
ただし、全員の同意を得るには、専門家を交えて価格を調整することが欠かせません。
売却益は持分に応じて分け、代表者が立て替えた測量費や広告費は精算表で差し引き、後のもめ事を防ぎましょう。
譲渡所得を計算する場合は、「取得費加算の特例」や「空き家3,000万円控除」を忘れずに使い、税負担を抑えましょう。
自治体の空き家バンクや解体補助を併用すると、前後のコストを約3割減らせた例もあります。
売却を検討するときは近隣相場だけでなく、空き家の需要や解体費用も踏まえた収支シミュレーションが必須です。
選択肢を比べる際は、共有者間の関係性や資金力、物件の市場性と意思決定の期限という4つの軸で考えると判断しやすくなります。
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共有名義の空き家でも、固定資産税は共有者全員が連帯して負担し、代表者指定や共有者別課税で納付計画を可視化すると延滞を防げます。
納付遅延や不公平負担が起きると、立替者は求償権を行使し内容証明や少額訴訟で回収を図る必要があり、連絡不能時は裁判所へ管理人選任を申し立てて損失拡大を防ぎます。
単独名義化や公正証書の管理規約、売却による資金精算など3つの選択肢を比較し、共有者の関係性や市場性を踏まえて早期に最適策を実行すると、固定資産税トラブルも解消できるでしょう。
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