2025-10-28

使い道のない空き家は、解体して更地にするのがおすすめです。
しかし、所有者が複数いる共有名義不動産の解体にはいくつか懸念点があり、ポイントを把握しておかないとトラブルに巻き込まれるおそれがあるでしょう。
今回は、共有名義の空き家を解体する方法をはじめ、事前に押さえておきたい注意点や費用をご紹介します。
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共有名義の空き家は、行為によって取り扱いが異なるので注意が必要です。
なかでも、建物の解体は「変更行為」に該当するため、共有者全員の同意を得なければなりません。
しかし、共有者のなかに、亡くなっている方や連絡が取れない方がいると、手続きが複雑になります。
きちんと手続きを踏まないと、建物全体の解体がおこなえなくなるので注意しましょう。
以下では、共有者が亡くなっているケース、音信不通のケースで空き家解体の同意を得る方法をご紹介します。
空き家の共有者がすでに亡くなっているときは、亡くなった共有者の持分が相続され、相続人が新たな共有者になります。
このようなケースでは、亡くなった共有者の相続人に連絡をし、空き家解体の同意を得る必要があります。
相続がきちんとおこなわれていれば、登記簿上の共有者氏名や住所は、故人から相続人に変更されているはずです。
共有者が亡くなったばかりで、不動産の相続が済んでいないときは、解体前に手続きを完了させなければなりません。
共有者が行方不明のときは、不在者財産管理人を選任し、共有名義不動産の取り扱いを決めてもらうのが一般的です。
不在者財産管理人とは、不在者が所有している財産を、家庭裁判所の許可を得て管理・保存する権利を持つ人物を指します。
通常、共有名義不動産に利害関係のない第三者が選任されますが、適任の親族がいないケースでは、弁護士や司法書士などの専門家を選任する可能性があるでしょう。
不在者財産管理人の選任を申し立てるときには、必要書類を家庭裁判所に提出する必要があります。
このように、共有名義不動産の共有者と連絡が取れないケースでは、不在者財産管理人から解体の同意を得るのが基本です。
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共有名義の空き家を解体するときには、以下の注意点を押さえておく必要があります。
きちんと手続きを踏まずに解体を始めてしまうと、共有者同士のトラブルに発展しがちです。
揉めごとを起こさないよう、想定される問題はあらかじめ把握しておきましょう。
共有名義の空き家は、解体するときに共有者全員の同意が必要です。
ほかの共有者から同意を得ないまま解体をおこなったケースは「違法」となり、損害賠償を請求できます。
ほかの共有者から訴訟を起こされて裁判になる可能性もあるので、結果的に損失を抱えてしまうでしょう。
共有名義不動産は、持分によって所有割合が決められているため、全員から同意を得ないと財産侵害だと申し立てられてしまいます。
共有者同士のトラブルを未然に防ぐためにも、空き家を解体する前に共有者全員から同意を得ておくのが注意点です。
所有者が複数いる共有名義不動産の解体では、話し合いが長期化することを覚悟しておかなければなりません。
とくに、それぞれの意見が異なるときには、話し合いが長引くでしょう。
そのため、ゆとりのある工事スケジュールを立てておく必要があります。
事前に、解体の方法や費用をある程度把握しておくと、話し合いの場で活用できるはずです。
スムーズに解体の同意を得るためにも、話し合いをする日程はあらかじめ組んでおきましょう。
建物滅失登記とは、登記されている建物が、解体などによってなくなったときに申請する手続きのことです。
空き家の取り壊し後、1か月以内に法務局へ届け出をしなければなりません。
手続きの方法は、建物滅失証明書や登記事項証明書などの必要書類を用意し、管轄法務局へ申請するだけです。
申請内容に問題がなければ登記が完了し、登記完了証を受け取れます。
建物滅失登記は建物の解体と異なり、共有者のうち1人が申請人になれば、単独でも手続きが可能です。
自分で手続きが困難なときは、司法書士や土地家屋調査士などの専門家にも依頼ができます。
報酬費用はかかりますが、専門家に依頼することでスムーズに手続きを完了させられるでしょう。
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共有名義の空き家を解体するときには、発生する費用をあらかじめ把握しておくのが注意点です。
金銭面でのトラブルはよく起こりやすいので、解体費用の相場や負担割合は事前に押さえておきましょう。
空き家を解体するときの費用は、建物の広さや構造・工事方法などによって異なります。
一般的な費用相場を挙げるなら、木造が坪あたり約4〜5万円、軽量鉄骨造が坪あたり約6〜7万円、鉄筋コンクリート造が坪あたり約7〜8万円です。
基本的に固い構造体の建物ほど、取り壊しにかかる費用は高くなるでしょう。
なぜなら、重機や職人に数が必要で、解体工事の手間が増えるためです。
たとえば、平均的な「一戸建て」といわれる木造30坪の建物であれば、以下のように解体費用を算出します。
5万円×30坪=150万円
一戸建ての解体なら、多くのケースで約100〜200万円ほどの費用が必要になるでしょう。
ただし、自治体によっては、空き家を解体するときの費用を補助してくれる可能性があります。
取り壊しを検討している方は、事前に制度の有無を確認しておくのがポイントです。
共有名義不動産の解体費用について、法律上のルールはありません。
1人の共有者が全額負担することも、共有者全員で負担することも可能です。
しかし、民法では「共有物の管理行為において、各共有者が持分に応じた費用を負担する」と規定しています。
そのため、共有名義不動産の解体は、共有者全員で費用を負担するケースがほとんどです。
たとえば、兄弟の持分割合が兄3分の2、弟3分の1で、150万円の解体費用がかかったケースでは、以下のように費用を負担します。
このように、持分割合に応じた金額を解体費用として支払うのが一般的です。
原則として、共有名義不動産の持分割合は、各共有者が不動産を取得するために負担した金額に応じて決まります。
計算式は、以下のとおりです。
持分割合= 各共有者が負担した金額 ÷不動産の購入代金
空き家の解体後に建て替えをおこなうときは、支払い額に注意しなければなりません。
仮に兄1,000万円、弟500万円で合計1,500万円を負担し、共有名義不動産を建て替えたとすると、各持分は次のように計算します。
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共有名義の空き家を解体するときには、共有者全員の同意が必要です。
注意点として、全員の同意を得ないまま解体をおこなうと、損害賠償の請求などトラブルに巻き込まれるおそれがあります。
解体費用の負担割合について法律上のルールはありませんが、持分割合に応じた金額を支払うのが一般的です。
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